【Metro: Last Light】地下鉄ポストアポカリプスFPS続編の感想、レビュー【メトロラストライト】

レビューとか感想
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今回はMetro 2033の続編であるMetro: Last Lightの感想、レビューになります、PC版をプレイしていますが公式日本語版(日本語吹き替え)の有無以外はコンシューマ版でも内容に違いはないはずです。それと記事長いっす、すません。

 

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再び、地下鉄へ

Metro 2033の主人公であるアルチョムは故郷を救う為に旅に出た…なんて書くといかにもありがちというかよくあるお話の序章って感じだ、だけどアルチョムは至って真剣だ、なんたってダークワンなる危険なミュータントが直ぐ側に迫ってるんだから。アルチョムの旅路は常に危険と恐怖に包まれていた、醜いミュータント、強欲な野盗、終末後もイデオロギー闘争に熱心なナチスに共産主義者、ガスマスク無しでは呼吸も出来ない空気そして心霊現象というにはあまりにもはっきりとしすぎているゴースト、アノマリー…どこを見てもひたすら地獄のような場所、それがこの地下鉄だ。だけどそうはいってもアルチョムたち人間は地下で暮らすしかない、地上ではガスマスク無しで呼吸することさえ出来ない、だからこんな地獄そのものの地下鉄でもアルチョムにとっては大切な故郷。

アルチョムは数え切れないくらい酷い目にあって何度も絶望してもその時々たくさんの人達から助けられながらなんとか目的を達成した、だけどどう考えてもあの前作のラストが「正解」には思えない、だっていくら既に荒廃しているとはいえモスクワを更に…あれがグッドエンディングなんてとても思えない、そのお話から物語は続いていく。今回もまたアルチョムは旅に出る、今回もまたアルチョムは酷い目に合う、たくさん絶望する、だけどアルチョムは前に進む、地下鉄に住む人々のささやかな幸せを守る為に、辛うじて人間の生活と呼べるものを続けるために。今回もまたダークワンをどうにかしないといけない、やっぱり今回もお話の中心はこいつだ。

 

前作Metro 2033の特徴や強みを受け継いだ続編

2010年に発売された名作ポストアポカリプスFPSの続編である今作「Metro: Last Light」について書いていきます、Metro: Last Lightは2014年に発売されたゲームで今からすると若干古めのゲームです。そして今回も日本語化MODを利用させてもらってます、前作の日本語化MODと同じように訳文も自然でファイルの適用も簡単でありがたい次第ですね、PC版でこのゲームを遊ぶ場合はぜひ利用させてもらいましょう、もちろん英語がそのまま読めるなら必要ありませんが。

前作のMetro 2033は核戦争後のモスクワの地下鉄を舞台にした異色なゲームでした、常に恐怖や絶望の匂いがして気が休まるときはない、だけどゲーマーを引きつける強烈な魅力もあったゲームです…Metro: Last Lightはそのゲームの続編になります。そして実際にMetro: Last Lightをプレイしてみるととても完成度が高く驚きました、今作は前作の良さや魅力をそのまま受け継ぎつつ弱点だった部分を補強しています、それについて僕なりに書いていこうと思います。

前作よりも地下に住む人たちが丹念に描かれてる

前作のMetro 2033は世界観や雰囲気は抜群に良くて非常に高いクオリティを誇ったゲームでした、ですが気になる点もありました、各駅に居るNPCたちです。主人公と会話するNPC以外の脇役NPCが若干残念だなと前作は感じてました、話かけられずにただそこに配置されているように思えたからです。今作も前作と同じように話しかけられたりは出来ないんですが前作よりもずっとNPCが生き生きとしています、1人ずつちゃんと違いを感じられて過酷な地下鉄でなんとか生きようとしているのがよく伝わってきます、子供の登場も前作よりも多いです。

 

例えばこのお魚屋さん、ああ地下鉄暮らしの人たちはこういうものも食べてるんだな、豚肉とキノコ以外にもちゃんと食べられるものがあるんだ…こうやって感心しました、だけどこの魚は一体どこからやってきたんだろう…?とも思いました。

 

ゲームを進めていくと訪れられる場所、地下で漁をして魚を手に入れてました、こういう具体的に地下でどうやって生き残っていくのか描くのは素晴らしいと思います、この世界の理解、没入感に繋がるとても素晴らしい要素だと思います。

多種多様なロケーション、前作よりも積極的に地上へ

Metro 2033はタイトルの通り地下鉄が舞台のゲームなのでどうしても似たような場所が続きがちでしたがラストライトでは地上に出ることも多くなり前作のような瓦礫だらけの町並みだけじゃなくて沼地など様々なロケーションが増えました、非常にいい感じです。

上の画像がその沼地なんですが非常によく出来ています、沼地のジメジメした空気や視界が効かない恐怖感などが非常に丹念に描かれています、素晴らしいです。

前作同様に恐怖の対象は人やミュータントだけじゃない

Metroシリーズにとって地下鉄は当然非常に重要な意味を持っています、このゲームにとって地下鉄はただ地下に存在する駅や路線なんかじゃない、ただ単に野盗やミュータントが危険なだけじゃない場所。霊的な存在や超常現象が発生するのがごく普通に身近にあるのがこの地下鉄です、そういった現象はときに人間に牙を剥きます。

真っ暗な路線を1人で進んでいく恐怖、どこから急にミュータントが湧いてくるか全く分からない、暗闇から何者かがこちらを覗ってるような不安…ライトの光が届かない暗闇に一歩でも足を踏み外すともう現実から外の闇の中に引きずり込まれるような感覚、現実と空想の境界線が不明確な感じ…。おかしなこと、現実的に考えてありえないことが起きてもそれがこの地下鉄では有り得そうだと思えてしまう、理解出来なくても否が応でも受け入れてしまうような空気…そういったオカルト的な現象が発生しても全く陳腐に感じずなぜか妙な恐ろしいリアルさを感じる…うまく説明できませんがそれがMetroシリーズにおける地下鉄だと思っています。

今作も重要なガスマスクとフィルター残量

ポストアポカリプス必須アイテムといえばご存知ガスマスク、今回もやはりこのゲームのキーアイテムです、前作同様に地上では必須地下でも一部で必要になります。以前書いたレビュー記事にも書きましたがMetroにおけるガスマスクは世界観を補強してゲームへの没入感を高めつつ面倒くささを感じない絶妙な調整がされています。常にフィルターの残量を気にしつつだけどフィルター自体はかなり手に入るんですね、すぐにフィルターは駄目になるからその都度交換するわけですがその交換という手間をかけることによってプレイヤーが危険な場所に居るという現実を再確認するわけです。前作に比べると若干減った感じがしますがデフォルトの難易度なら基本的に足りなくなることはあまり無いと思います。

 

戦闘と今作も重要なステルス要素、そして改善されたミュータント戦

前作Metro 2033はかなり様々な要因で難易度が高いゲームでしたが今作ラストライトも同じく難易度が高いゲームです、ただもちろん違いもあります、今回は主に戦闘関係の違いについて書いていきます。

前作よりも更にステルス要素が強化された

Metro 2033の戦闘では主に対人戦と対ミュータント戦の2つがありましたがラストライトは前作以上にステルスが重要になってます、というか基本的に人と戦うシチュエーションではステルス可能です。前作でもステルスは可能でした、実際銃にサプレッサーを装着出来たし暗殺武器もたくさんありました、だけど見つからずに敵を殲滅するのは非常に難易度が高く実質3.4人くらい始末してそのあたりで気づかれてドンパチに発展、それが大体のプレイヤーの流れだと思います。

ですがラストライトは前作よりも、悪い言い方をすればわざとらしく、良い言い方をすればプレイヤーが気持ちよくステルス出来ような敵の配置をされていると感じました、具体的にやたらと敵が後ろを見せてきたり1人で孤立したりします。前作と同じようにエアライフルや連発クロスボウ的な武器など暗殺兵器も充実してます。

投げナイフが強化されたと思ったけど、そうじゃない

前作でも重要だったステルス要素が更に強化されたのは今書いたとおりなんですがそれ以外にも気になったことがあります、投げナイフです。Metro 2033に投げナイフがあって今作ラストライトにもあるんですがラストライトで投げナイフは恐ろしく強力です、なんたって後ろから背中に向かって投げれば基本的に音もなく暗殺出来るわけですから、ラストライトで投げナイフが超強化されました!

と思いましたがそうじゃない、多分投げナイフの強さは前作と同じ、違いは今作ラストライトで上に書いたように意図して敵が後ろを見せたり孤立してたりする状況が多くて前作よりも投げナイフが活用しやすい状況になってるんだと気づきました、丁度いい投げナイフが投げやすいあたりに孤立した敵が居るんですね。この投げナイフなんですが威力も非常に高くもちろん静音武器なのでステルスの最高の味方です、というか前作で強力だったエアライフルが相対的にわざわざ拾う必要がないような武器になっている気がするのがちょっと残念ですが。

ミュータントに怯みが追加されて良い感じ

前作Metro 2033のミュータント戦は一般的にそこまで評判がよくありませんでした、具体的には銃で撃っても反応が無いし一直線に突っ込んでくるだけなど、個人的にはプレイ中の恐怖感が強くて気になりませんでしたがそういった感想が結構見受けられました。そしてラストライトなんですが今作はちゃんとミュータントが攻撃を受けると一瞬怯むようになっていてこのあたりがかなり改善しました、こちらの銃撃が命中しているのにそのままミュータントが突っ込んでくる理不尽感も解消されてとてもいい感じです。

新規追加された最高にキモいミュータント

前作の問題点の1つだったミュータントのバリエーションのなさ、同じような攻撃方法しか無いことも合わさってそれなりのレベルの問題だったと認識してます、ですが続編のラストライトでそこは大きく改良してきてます。もう本当に嫌になるほどキモくてよく出来ているミュータントが複数追加されてます、感心しますよ初代のあののっぺりしたよく違いが分からないミュータントからここまでキモいのを何体も追加するのを、良い意味で最悪です。

前作でも出てきた口から音波のようなものを発生させて攻撃してくる敵にも例えば柱の周りをぐるぐる回るような動きをするみたいなそれぞれの動きの個性が追加されて違うを感じられるようになってます、前作からの明らかな改善です。

 

今作でも最高すぎるカッコいい銃たち

Metro 2033では本当に銃が魅力的でした、手作り感溢れる安っぽい見た目の銃ばかりなんですがどれもこれも妙に魅力的なんですよね、強烈に惹きつけられるんですよ…なんていうかな自分たちが持つ低い終末後の世界の技術力でなんとか生き残ろうとする気持ちが伝わって来るんですね!

そしてラストライトなんですが前作と同様の銃と更に新規の銃が出てきます、どれもこれも最高にイカしてます、ヤバいです。画像は前作も登場した空気圧で弾丸を発射するエアライフル、今作は後述する投げナイフの使いやすさからかなり影が薄くなったけどもちろん今作でも使える。

バカマシンガン

Metroシリーズを象徴するような武器、最高に安っぽい見た目の機関銃なんだけど弾丸が丸見えな構造、凝ったリロードモーションなど魅力満載、最高。

クアッドバレルショットガン

ラストライトからの新登場のクアッドバレルショットガン、右クリックで4発全弾発射する、ロマンの塊最高。いやそれにしてもクアッドバレルショットガンってCSO(基本無料版カウンターストライク)にも出てきたね、ゾンビモードで…物凄いノックバックだった…話を地下鉄に戻そう。

ヘルシング 空気圧クロスボウ

これも前作からの登場、レアな武器で若干手に入れにくい。強烈な威力があって矢も回収できるんだけどシリーズを通してうまく活用出来た記憶がない、悲しい。

 

ただそこに居るだけで怖い、一級のホラーゲーム

突然ですが怖いホラーゲームとは一体どういったものでしょう?よく質が低いホラーゲームの要素として挙げられるのは大きな音でビックリさせる、ジャンプスケアなど画面いっぱいに化け物の顔をアップするなどがあります。じゃあ怖いホラーゲームの要素とは?そこを定義するのはとても難しい話です、ですが個人的に1つ僕が断言出来るのは「何もせずにそこにじっとしているだけで怖いゲームは本当に怖いホラーゲーム」ってことです。そして地下鉄の話に戻ります、このゲーム、何もせずにうずくまってるだけど震えるほど恐ろしいです、マジで。

間違いなく更にパワーアップしたホラー要素

前作Metro 2033も相当な水準で怖いゲームでした、僕はそれなりにホラーゲームを遊んできましたがそれでも上位に入るくらい怖いゲームでした、そして今作ラストライトなんですがホラー要素も明らかに強化されて更に怖くなってます。上の画像は強制収容所から命からがら逃げ出したその先に地下なんですが蜘蛛のミュータントが大量に生息しています、もう地下鉄の地獄を煮詰めたような場所です、まさにこの世の地獄です。ただでさえ地下鉄は暗くて視界が効かなくて怖いのに更に蜘蛛の化け物まで出てきます、蜘蛛は光が弱点なのでこちらのフラッシュライトの光を当ててひるませないといけません、必然的に周りをせわしなくキョロキョロすることになります、恐ろしく緊張します、激しく視点を動かすとそれがさらに自分の緊張に繋がる悪循環…。

 

火を炊くポイント、この場所ならいくらでもバッテリー充電ニギニギ仕放題、緩急の付け方が素晴らしい。

地上と地下、別種の恐怖感

暗くて狭い地下は間違いなく怖いですが地上は地上でもひたすら恐ろしいです、画像は夜の沼地、なぜ深夜にそこを出歩こうと思ったのか。もうこの場所もひたすら恐ろしいです、四方からミュータントの鳴き声が聞こえます、本当に精神をすり減らすほどに怖い。暗くて狭い地下ももちろん怖いんですが開けた地上もやはり怖いんですね、敵がどこから出てくるか全く予想が出来ない恐怖がここではずっと続きます。

 

素晴らしい光と影の描写、そして自然環境

前作も光の表現が非常に緻密だなと思ってましたが続編は更にそこも強化されました、このラストライトはタイトルにも含まれてる通り非常に光が重要なテーマだと個人的に思ってます。上の画像は前作のレビュー記事にも書いたところとそっくりなシチュエーションです、最高です大好きです。

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ランプの光を何とかしたいけど奥に敵が居るかも知れない、銃で撃つと音でバレるかも、でも先がどうなってるのか気になる…そんな葛藤です、素晴らしいです。

 

最高すぎるスクショ、被っているガスマスクに汚れや水滴が付いてそれが光で反射してます、その場面に遭遇したとき本当に感動しました、ああ素晴らしいなって。ゲーム進行にはほぼ関係がない箇所ですがゲームの没入感を高める要素として僕は大好きです。

 

はぁ~…上の画像もすばらしい、光は射しているけど薄暗い…ここも素晴らしい…。このゲームシリーズは本当に光と影の描写が素晴らしいの一言です、ラストライトはもう7年前のゲームですが光と影のグラフィック表現は現在のAAA級タイトルに匹敵する美しさですね、素晴らしいの一言。

 

まるで宗教画のような一枚、はっきり言ってMetroシリーズにおいて光と影の描写は全く脇役じゃない、例えるなら重要なNPCの1人みたいな存在感がある。

没入感を高めてなおかつ過剰じゃない演出

上の画像はゲーム終盤のエリアです、橋のような場所で強烈な嵐が押し寄せてます、強烈な雨と風のせいで主人公のアルチョム視点が揺れます。この自然環境の演出もとても秀悦です、現状の過酷さを表現しつつ過剰ではありません、こういった環境表現はゲームではやりすぎるとストレスの元になるだけなんですがMetroシリーズでは非常に適切で没入感を高めつつストレスを最低限な箇所に落とし込んでいて素晴らしいと思います、ガスマスクフィルター残量や放射能によるダメージなどこの辺のバランス調整がとてもうまいんですよねこのシリーズ。

 

総評 前作よりも洗練された非常に高水準な続編

長くなりましたが総評になります、Metro: Last Light(メトロラストライト)は前作の問題点を改善してなおかつ強みを強化して更に魅力的なポストアポカリプスFPSへ仕上げてきた名作、といえます。前作Metro 2033は今作と同じように重厚なストーリーや濃密な世界観など魅力たっぷりなゲームでした、しかし代わり映えしないミュータントやロケーションなど問題も抱えていました。しかも今作で多彩なおぞましいミュータントの追加や沼地など今まで無かったロケーションの追加でそれら批評を乗り越えようとしてます、そしてそれを成功してます。

前作同様に魅力的な世界観、最高すぎる武器、地下鉄に住む人々の生活を丹念に描く、おぞましいミュータント、恐ろしい環境、どれをとっても高水準で素晴らしいです、細かい問題点はありますが大きな部分で問題だと思える箇所を僕は見つけられません、傑作といっても問題ないクオリティだと思ってます。

最後にMetro: Last Lightをオススメ出来る人について

1 前作Metro 2033が好きな人面白かった人 2 ポストアポカリプスな世界観が好きな人 3 ガスマスクが好きな人 4 カッコいい銃が好きな人 5 ホラーゲームが好きな人 6 オカルト好きな人 7 胡散臭いロシア文化に興味がある人 8 THE洋ゲーな濃すぎる顔の女のストリップが見たい人 9 嫌な現実を捨てて終わった世界に没入したい人

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