2020年7月31日にPC版が発売されたターン制シミュレーションRPG(ストラテジー)ゲーム「Fae Tactics」のレビュー記事です、Nintendo Switch版の発売も予定されているようなのでSwitch版の購入を検討されている方にも参考になればいいなと思ってます。
FFTやタクティクスオウガを思い出さずにはいられない新作ゲーム
2020年7月31日に発売された新作ターン制シミュレーションRPGのFae Tactics(フェイタクティクス)のレビュー記事を書きたいと思います、少しでも購入の検討をされている方の参考になれば嬉しいです。
さてこのFae Tacticsなんですが最近あまり見る機会が少なくなったターン制シミュレーションRPG、最近の言葉でいえばストラテジー系のゲームです。以前にもプレイ記事の方で書いたんですがこのジャンルのゲームは近年さっぱり話題に上がることが少ないジャンルのゲームだと思います、最近スマホゲームのドラクエタクトなんかがリリースされましたがスマホゲームではある程度人気があるジャンルなのかもしれませんが家庭用ゲーム機やPCゲームなどの環境ではやはりあまり話を聴きません。
そしてFae Tacticsをひと目見た瞬間に僕は「ファイナルファンタジータクティクスみたい!」と思いました、実際にプレイしてみてゲームをクリアしましたが確かに大まかなシステムはファイナルファンタジータクティクスやタクティクスオウガなど以前から有るシミュレーションRPGに似てますがやはり違いもあります、そこを書いていきます。
シンプルながら奥深いシステム、オーソドックスな点と新しい点
Fae Tacticsは見た目はPS時代のファイナルファンタジータクティクスやスーパーファミコン時代のタクティクスオウガにそっくりな感じがします、そして実際にプレイすると確かにその2つのゲームをプレイしたことがあるならすんなりと操作に馴染むと思います、ですがやはりFae Tacticsには独自の要素があり新しいゲームです。
アシストやコンボ、呪文に必殺技!序盤から多彩な攻撃
実際にプレイしてみて最初に驚いたのはこのFae Tacticsは最序盤から味方にバフを付与出来るアシストや味方の攻撃と連動して繰り出すコンボ攻撃が出来ることです、これはキャラクターが成長して無くても普通に使えます。このアシストとコンボ攻撃はFae Tacticsにおいて基本です、ある程度キャラが育った後に使えるのでは無く今書いたように最初から使えるのが新しい気がします。
そして主人公の女の子ピオニーは呪文も使えます、この呪文は敵を倒した際に確率でドロップして戦闘後の設定で使えるようになります、最初は使えない状態ですがターン数を稼ぐと魔法が使えるようになり一度使うとまた数ターン待ってから使えるようになるシステムです。更にゲーム序盤は使えませんが進めていくと途中からウルトラゲージというパワーを溜めてキャラクター固有の必殺技のようなものも使えるようになります、これらの複数の要素でゲームの奥深さが増してます。
これだけ書くと最初から特殊な能力が使えてゲームの難易度が低いのかな?と思う方も居るかも知れませんが実際は全くそんなことはありません、強敵は同じように魔法も召喚も使ってウルトラゲージ貯めからの必殺技も使ってきます、Fae Tacticsはかなり歯ごたえのある難易度のゲームです。
高低差やバックアタックの概念有り
Fae Tacticsで個人的に嬉しかったのは高低差やバックアタックの概念があったことです!なにせスマホで手軽にプレイ出来る同じ系統のゲームはどれもこれも高低差もバックアタックさえ無かったりすることが多いからです…。
これでフィールド内の高台を確保する重要性やキャラクターの動かし方の重要性が更に上がってとても緊張感があって良いです、リスクを背負って敵が密集している側の敵裏に回り込んで攻撃するみたいな判断が必要になったりします。
仲間の数は最初少ないけど少しずつ増えていく、そして召喚獣
パーティ編成時に組み込める仲間の数はたった3人しか居ません、最初これにはがっかりしました。なぜってターン制シミュレーションゲームの醍醐味は自分が好きなように戦略を組み立て駒を揃えるところだとずっと思っていたからです、最大パーティ人数が3人はその戦略の幅を大きく狭める要素に感じました。
ただ実際の戦闘ではこれにフェイという召喚獣のようなものをフィールドに呼び出して戦います、最初はキャパシティの数が少ないですがゲームを進めていくと増やしていけます、強力なフェイほどたくさんのキャパシティを消費する感じですね。なので実質の仲間の数は3人よりも多いです、それでも数は多くありませんがまあ最初思っていたよりは少なくないのでここは最終的にここは問題ないと思いました。呼び出せるフェイもたくさんの種類があって選択肢の幅はゲームを進めていく毎に広がります、強敵だったあの敵を召喚獣として召喚して自分の味方として一緒に戦うってのが楽しい!
そして仲間です、フェイ(召喚獣)以外にも人間などの仲間が出来ます、これもゲームを進めていくと増えていきます。ネタバレになるので詳細は書きませんが中盤以降にはファイナルファンタジータクティクスの雷神シド…は言いすぎかもしれませんがそれに近いくらい頼りになる「万能型雷神シド」みたいなキャラクターが仲間になったりで楽しいです!
重要キャラクターや強敵は即死せずにダウン状態になる
主人公のピオニーを含む重要な仲間やキャラクターは体力がゼロになってもすぐに死んだり撤退せずにその場でダウン状態になります、そして期間内に味方が回復すれば戦闘に復帰出来る仕様になっています。つまり強力な攻撃でダウンしても味方が生き返させれば何度でも蘇ります、ちなみに魔法などでも回復させればダウン状態から復帰出来ます。
これだけ書くとやはり難易度が低いような感じがします、でも実際はそれを踏まえた上で難易度を調整しているので全く簡単なゲームではありません、というかこの仕様は敵も同じなのでせっかく倒したと思った敵もあっという間に復活させられてしまったりするのはいつものことです。
装備品や仲間の変更は至ってシンプル
Fae Tacticsではレベルが上がると能力ポイントを取得できてそこから好きなステータスをアップ出来ます、この振り分けはいつでも出来てポイントを振り直すのもコスト無しで自由に出来ます、実質ステージごとにポイントの振り直しを推奨しているようなものなのでこれも仲間の数が少なくても攻略の幅は広い理由の1つです。
そして装備品なんですがこれは武器や装飾品の1つを変更出来るだけで個別に防具などを買って装備させる…ようなシステムはありません、ここらへんはとても手軽ですね。ただ他にステータスや何らかの能力の付与が出来る呪文書?みたいなのがあります、まあこれも簡単に変更出来て手軽で分かりやすいです、アシストの範囲を大幅に広げたり強力なのも多いですね。
ただ問題はアシストの掛け合いのテンポの悪さ
ここまでFae Tacticsがどんなゲームかを大まかに書いてきました、色々と書いてきましたが概ね好意的なことが書かれてます、ですがやっぱり問題もあります…具体的にはゲームテンポの悪さです。
何がゲームのテンポを悪くさせているかというと簡単で上にも書いたアシストのシステムのせいです、このゲームは全てのキャラクターが何らかのアシスト効果を味方に付与出来ます、これはノーコストで使用出来ます。つまりやることが無いととりあえず近くの仲間にアシストをかけられるんですね、もちろん敵もこれをしてきます…遥か後方の敵がずっと味方同士でアシストを掛け合うんですがこれが非常にゲームのテンポを悪くさせてます。
味方のMB(バリア)を増やすみたいなアシスト効果を持つ敵が居るととっても厄介です、なんたってほっておくとどんどんMBが厚くなっていくわけですから…ただそこだけなら早く攻略しよう!というゲーム的な面白さに繋がりますがやっぱりゲームのテンポの悪さに直結して辛いです。
綺麗なドット絵に魅力的なキャラクターと音楽
Fae Tacticsのグラフィックはドット絵で描かれているわけですが非常に緻密で美しいです、魔法などのエフェクトも迫力があっていい、グラフィックも非常に高水準といっていいと思います。
キャラクターが魅力的でストーリーも音楽もどれも良い感じ
出てくるキャラクターもどれも魅力的で良いです、僕はどのキャラクターにも愛着が湧いてます、登場する仲間の数が少ないのは1人1人の仲間にスポットが当たっていて適当に消費させないって意味でもあるかも知れませんね。
そしてストーリーなんですがこれも悪くなかったですね…正直ストーリーは殆ど気にしてなかったんですがかなり重厚なストーリーです、ただ固有名詞やFae Tactics内の歴史などをゲーム内で確認し直せる辞典機能みたいなのがぜひ欲しかったな…。
そしてBGM、音楽なんですがこれも良い感じですね、自然に耳に馴染みます、特にラスボス戦のBGMは熱くてなかなか気に入ってます!
日本語翻訳の質も非常に高い
海外ゲームをプレイするにあたって非常に重要な日本語翻訳の質なんですがこれは全く問題無い水準、というかFae Tacticsを進めてて一度も意味が分からなかったり違和感があるセリフなんかが僕は見つからなかったので高水準な日本語訳といっていいと思います。
エンドロールから調べたんですがどうやらこれはちゃんとプロの人達が翻訳されているみたいですね…これは本当に素晴らしい…日本語訳が残念だとゲームはプレイ出来てもキャラクターやストーリーの魅力が全部台無しになる可能性があるので…。
やっぱりNintendo Switchで販売が予定されているだけあってちゃんとプロの翻訳家が翻訳しているんですね…本当に素晴らしいですよこれ、PCゲーマー以外にはあまり共感されないかもしれないけど本当にこれって素晴らしいことなんですよ…PCゲームではとんでもないクオリティの「自称日本語版」ゲームが大量にありますからね…本当にSwitchサマサマです僕は持ってませんが。
ゲームのボリュームが凄まじい
Fae Tacticsのゲームボリューム、つまりどれくらいプレイ出来るかってことなんですが僕はラスボス撃破のゲームクリアまで58時間かかりました、僕はファイナルファンタジータクティクスやタクティクスオウガ、フロントミッションにディスガイアサモンナイトと色々な似たジャンルのゲームをしてきました、それでも58時間かかりましたね。たった2000円で買えるゲームでこれだけプレイ出来るなら100点満点のボリュームでしょう!
ただそれが逆に弱点になることもあるかも…
必死に面白いゲームを開発してくれた開発者には大変失礼なことを書きますが人によってはゲームが長過ぎると感じるかもしれません正直。いやこのゲームはマップに戻ればいつでもゲームを辞められますが一度に複数のゲームを並列してプレイ出来ない僕みたいなタイプにはFae Tacticsをずっと長い期間プレイすることになりましたね、毎日プレイしてクリアまで1ヶ月以上かかりました、いや素晴らしいことなんですよゲームが作り込まれている証なんで!…だけどやっぱりすごいボリュームだということはとても重要な点です!本当に2000円で買えるゲームとは思えないボリューム。
強くてニューゲーム有り!ただし難易度は変更出来ない
Fae Tacticsはいわゆる強くてニューゲームが有ります!ラスボス撃破後のセーブデータをロードすると強くてニューゲームが始まります!これでまだ手に入れてない魔法やフェイを集めたり以前は所持してなかった要素を使って新しく攻略し直せます!これは良いですね。
総評
長くなりましたがここらでFae Tacticsの総合的な僕の評価を書きます。
総評をいうならば「ファイナルファンタジータクティクスやタクティクスオウガなど往年の名作ターン制シミュレーションゲームが好きならばFae Tacticsも大外れすることはあまり無いと思う」です、かなり自身を持ってそこだけは書けます。
色々と僕の感想を書いてきましたが確かに気になる点はありますが魅力や面白さのそれを大きく上回っているので十分このゲームを買う価値があります、繰り返しになりますがあなたがファイナルファンタジータクティクスなどが好きでそれらを面白いと思うならFae Tacticsもかなりの確率で気にいると思います。
最後に僕の一言
このゲームがとても面白かったのでレビューを勝手に書かせてもらった、書けて良かった。残念ながらFae Tacticsはあまり売れてなくて話題にもなってない感じがする、現在PC版しか無いので日本国内での反響の少なさは仕方ないがSteamのレビュー件数を見てもやはりそこまで世界的にも売れてない感じがする、ちょっと悲しい。
面白くてたくさんの人達の熱意や愛情を感じるゲームが売れなくて埋もれてしまうのはあまりにも悲しい、これからNintendo Switch版の発売も予定されているようなのでそちらに期待している、日本でも売れますように!
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